スパロボAとスパロボAPのスタッフロールの謎


記事投稿 2017年11月9日
最終更新 2023年5月5日


スパロボAPスタッフロール、プロット


はいどうも、ゲ2(げっつー)と申します。
『寺田貴信Pをはじめとしたスパロボのシナリオライターをまとめた!』を書く時にあることに気付きました。
『スーパーロボット大戦A(GBA) スタッフロール』『スーパーロボット大戦A PORTABLE スタッフロール』に微妙な差があります。
その微妙な差が気になってしまったのでまとめてみました。



スパロボA・AP概要

スパロボA(GBA/iモード)


スーパーロボット大戦Aは2001年9月21日発売のGBAソフト。
スパロボのGBA第1作。
制作会社はエーアイです。エーアイ制作は64に次いで2作目。
移植として、NTT DOCOMOの携帯電話向けで追加要素のあるスパロボi版もあります。


スパロボAP(PSP)


スーパーロボット大戦A PORTABLEはAから約7年程後の2008年6月19日発売のPSPソフト。
スパロボMX POTABLEに次ぐ、PSPでのリメイク2作目。
製作会社はトーセ。トーセ制作の12作目。
スーパーロボット大戦Aのリメイク作。
システム面は他のトーセ制作スパロボベースへと大幅な変更がされ、機体・パイロットの数値、計算式も変更されている。
また、ボイスの追加やシナリオの一部変更もある。


APスタッフロール内の"オリジナルスタッフの"項目


スパロボAPのスタッフロールの中に、「オリジナルスタッフ」という項目があります。
約7年という期間と、前述の通りAとAPでは制作会社も違うので、当然スタッフも異なる部分があります。
この「オリジナルスタッフ」の項目には、エーアイ所属である赤羽仁をはじめとしたスタッフの名前があるのですが、名前がない人もいます。



APにクレジットされなかった人達



名前がないのは以下の33名と2社。



アシスタントディレクター 冬木稔一

シナリオアシスタント 真!大久保則雄

プログラマー 松野内秀和

プログラマー 後藤秀寿

デザイナー 瀧野講司

デザイナー 長岡悌司

デザイナー 達啓

デザイナー 安良岡昌美

デザイナー 大塚晃慶

デザイナー 遠藤啓枝

サウンドプログラム 橋本昌哉(クインテット)

サウンドマネージャー 大槻潮(クインテット)

サウンド 十一谷明広(クインテット)

サウンド 落合貴子(クインテット)

営業スタッフ 山崎敦

営業スタッフ 金坂吉史

広報スタッフ 古田真美

サポートスタッフ 門原悠太

デバッグスタッフ 小田部猛

デバッグスタッフ 大西竜也

デバッグスタッフ 安斎誠

デバッグスタッフ 矢島由美

デバッグスタッフ 石倉英明

デバッグスタッフ 関寿恵

デバッグスタッフ 川口宗一郎

制作協力会社 株式会社クインテット

制作協力会社 株式会社遊演体

スペシャルサンクス 佐藤勝俊

スペシャルサンクス 田中宏典

スペシャルサンクス 原修司

スペシャルサンクス 小林淳

スペシャルサンクス 加藤建志

エグゼクティブ・プロデューサー 杉浦幸昌

エグゼクティブ・プロデューサー 伍賀槌太



スペシャルサンクスは全員クレジットされていないわけではなく、和気正則ら4名とスーパーロボット委員会はクレジットされている。
株式会社クインテットはスタッフロールにクレジット無しの期間があるようなので、その兼ね合いかもしれない。(なお、現在は倒産したそう)

まぁ、なんやかんやでクレジットされない名前があることもあるのだろう。
大人の事情というのがたくさんあるのでしょう。


Aに名前がなかったvane氏


ところが、Aにクレジットされていなかったのに、APのオリジナルスタッフとしてクレジットされている名前がある。


シナリオプロットを担当したVaneという人物。


この人物が謎。
いくら検索しても2chシナリオライタースレしか出てこない。



そこで、私が考えついたのが次の2つ。


  1. Aの時になんらかの理由でクレジットされていなかった
  2. Aの時にクレジットされていた名前から改名した



2の可能性がそれなりに高いのではないかと思いました。
Aに名前があり、APに名前のなかった脚本関係のスタッフが1人いるからです。

それがシナリオアシスタントの真!大久保則雄という方。

なんやねん、真!って。と思われると思います。(私も思いました)
恐らくこれは「真!」と書いて「チェンジ!!」と読みます。

スパロボ64のシナリオサポートに新大久保則雄という名前があります。

これは、新ゲッターロボと真!(チェンジ!!)ゲッターロボのオマージュでしょう。
(念の為にネオ大久保則雄とか大久保則雄対とかで検索しましたが特別には引っかかりませんでした)


シナリオアシスタントという肩書もメインライターの補佐的な内容だと読み取れるので、アシスタントとしてプロットを書いていた、とも推測できます。


シナリオ関係のもう1人の、一二三四郎は、Aでシナリオプロット、APのオリジナルスタッフのシナリオプロットに名前があります。

それでいて、大久保則雄の名前がなく、代わりにvaneの名前があるのはやはり、別名の同一人物なのではないかと推測してしまいます。



ということで、私は「vane=大久保則雄」説を有力視しているのですが、これ以上は何も確認のしようがないので、事実かどうかはわかりませんでした。
よっぽど気にする人もいないのでしょうが……(苦笑)




ということで、スパロボAとAPのスタッフロールの謎でした。

どなたか、真実や新説がありましたら教えてください。


……と書いておいたら


真実か新説がコメントで、来た!


記事書いてから1年以上経って、この記事にコメントがきました。




その視点はなかった!!……かもしれない……?


このコメントの赤羽氏とは、エーアイ製スパロボでディレクターを務めている赤羽仁のこと。

記事書いてたその時どう考えていたかは覚えてないですが、退職説は考えていた……かも?
仮に考えてたとしても「退職してても名前書くんじゃないの?」くらいにしか思っておらず、何も確認作業はしてなかったです。

「Vane=赤羽仁」説は全くなかったです。
なにせ「赤羽」を「あかば」と読んでいたから。
きっと「あかばね」と読むんですね。
「あかばね」を「ばね」と略し、「vane」と書き換える。
それは全く想像してませんでした。

だって、「あかば」だと思ってましたもん。
コメントを頂いてからも一月ほど経って、ようやく気付きました。



真実の一部がリプで、来た!


上記コメントからさらに1年後。
ツイッターで衝撃的なリプが来ました。




え?どなた?って思ったのも一瞬。
いや、御本人以外こういう書き方しませんよね。
一応、自分にそんなことをする人なんかいないであろうことをわかりつつも、一応、釣りの可能性も考えて過去のツイートを少し遡ってみましたが、御本人でないと辻褄合わない書き込みがいくつかありました。
ということで、リプをくださったのは、大久保則雄、その方、御本人でした。

そして、



というツイートをしてくださったので、自分が長らく考えていた、「vane=大久保則雄」説は、御本人によって完全否定されました。

匿名コメントがいただけた時点で、もうそれで間違いないと思っていましたが、もう「vane=赤羽仁」説で間違いないですね!
ですね?
ですよね???


まさか、元スパロボスタッフの方からリプをいただけるなんて思っていませんでした。
大久保則雄さん、本当にありがとうございました。
密かな夢が叶いました(笑)


APにクレジットされてなかった人たちの確認


その他、Aのスタッフロールに名前があったが、APのスタッフロールに名前がなかった33名と2社を調べました。
その中で、その後が確認出来たのは以下の12名と2社です。


アシスタントディレクター 冬木稔一
2011年10月15日の記事、『4Gamer.net ― 「川中島」で3国対3国の大合戦が勃発!「戦国IXA」の新システム「新合戦」についてインタビュー』にて、「戦国IXA」というゲームの開発スタッフとしてインタビューがある。
戦国IXAの発売元はスクウェア・エニックスだが、開発元はONE-UP(現在は社名変更してG-mode)になっている。
開発スタッフインタビューになっているので、ONE-UP(現G-mode)の方だと思われる。
第二オンライン企画運営部 ディレクターの肩書になっており、この時点でスクウェア・エニックスに所属しているものと思われます。
コメントでのご指摘ありがとうございます。


デザイナー 瀧野講司
『人物/KOJI TAKINO - [SR]スクウェア担当解析編』によるとスクエア・エニックスの開発に参加しているよう。
ただし、スパロボA発売前後もAP発売前後も参加している。
フリーだろうか?


サウンドプログラム 橋本昌哉(クインテット)
サウンドマネージャー 大槻潮(クインテット)
サウンド 十一谷明広(クインテット)
サウンド 落合貴子(クインテット)
制作協力会社 株式会社クインテット
フライトユニット代表の安堂ひろゆき氏のTwitterによるとクインテットは倒産したとのこと。




デバッグスタッフ 安斎誠
スパロボAP発売以降もスパロボVまでにディレクターなどでスタッフロールに名前がある。
斎の時の表記が変わって「安斉誠」になっているが同一人物だと考えられる。


スペシャルサンクス 佐藤勝俊
『金色のガッシュベル!! 友情タッグバトル フルパワー - GameStaff@wiki - アットウィキ』によると2004年8月4日発売の「金色のガッシュベル!! 友情タッグバトル フルパワー」のモーションデザインとして参加しているよう。
また、『エイティング 有価証券届出書(新規公開時) 2005年11月04日提出 - 投資関係がわかる「有報速報」』によると、2005年11月4日の時点では「金色のガッシュベル!! 友情タッグバトル フルパワー」の開発元の株式会社エイティングの従業員として名前がある。


スペシャルサンクス 小林淳
スペシャルサンクス 加藤建志
スパロボAP発売以降もスパロボVまでにスタッフロールに名前がある。
小林淳はキャラクターカットインなど、加藤健志はキャラクターグラフィック編集など。
スパロボA発売時にバンプレソフト(現B.B.スタジオ)に所属していなく、スパロボAP発売時にバンプレソフトに所属していたのなら、スペシャルサンクスから外れるのも理解できるのだが、スパロボA以前に発売されたスパロボα外伝にも両名ともキャラクターグラフィックでクレジットされている。


エグゼクティブ・プロデューサー 杉浦幸昌
ポピーの常務取締役、バンダイの常務取締役、バンプレストの初代社長、バンダイの会長を歴任。2002年に65歳で定年の為、会長を退任。


エグゼクティブ・プロデューサー 伍賀槌太
ユニファイブ(バンプレストの子会社。後に吸収合併)の社長、バンプレストの2代目社長を歴任。
2004年3月24日、任期満了でバンプレスト社長を退任。

株式会社遊演体
PBM、TRPG、PCゲームの製作などを行っていたが、2004年に活動休止。



この12名の中で、スパロボAP発売時にスパロボA開発時の会社に在籍されてないであろうことが確実なのは、8名でした。
コメントしていただいた「現在、開発時の会社に在籍していない方々」は大方正しいようです。
目の付け所が違いますね。


もっと詳しく分かる方がみえたら教えてください。
お願いします。




よろしければ、他の記事もどうぞ。

『スーパーロボット大戦A(GBA) スタッフロール』
『スーパーロボット大戦A PORTABLE スタッフロール』
『B.B.スタジオ所属になったスパロボスタッフ「中里圭佑」を調べる』
『寺田貴信Pをはじめとしたスパロボのシナリオライターをまとめた!』
『合計245作品!スパロボの参戦作品一覧&参戦回数ランキング』
『スパロボの制作会社の特徴まとめと一覧』
『最大13役重複!!スパロボオリジナルキャラクターの声優一覧』
『スパロボ関連記事一覧』





2018年2月1日
杉浦幸昌氏、伍賀槌太氏とまとめを追記。

2018年11月16日
赤羽仁氏のこと追記。

2018年11月17日
大久保則雄氏からリプが来た話。
全体的に文章修正。

2019年4月23日
冬木稔一氏のその後の所属についてコメント指摘をいただき、修正。

2023年5月5日
株式会社遊演体について追記。
コメントで情報いただきありがとうございます。

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10 件のコメント :

  1. APにクレジットされなかった人達=退職(転職)されており
    現在は開発時の会社に在籍していない方々

    Vane=赤羽氏のペンネーム

    ですよ

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    返信
    1. >匿名さん
      コメントありがとうござます。
      記事に追記させていただきました。
      その視点は考えてなかったか、大して考えてませんでした。調べ途中ですが会社に在籍してなかった方が大半のようですね。
      在籍してなかった方、「Vane=赤羽仁」説の参考になる情報元があれば教えていただけないでしょうか?
      よろしくお願いします。

      削除
  2. 冬木稔一氏は恐らく下請けの会社の人間なので他の方もそう言う事なんじゃないかと…
    また、冬木氏はブロッコリー製のベイブレード2002シリーズの開発と並行してスパロボに関わっていたようです。

    返信削除
    返信
    1. >匿名さん
      コメントありがとうございます。
      自分は冬木稔一氏はエーアイに所属されていた方ではないかと考えています。
      「下請け」という表現がバンプレスト(当時)の下請けであるエーアイのことを指しているのか、エーアイの更に下請けでバンプレストの孫請けにあたることを指しているのでしょうか?
      どちらにしても、当時所属していた会社を退職しているということだと、今考えています。

      ベイブレード2002ですが、エーアイのホームページを確認したところ開発タイトルとして名前があります。
      このことからも、冬木氏がエーアイの所属だったのではないかと考えます。

      削除
  3. 冬木氏がエーアイもしくはその下請けに所属していた場合、エーアイが関わってない「爆転シュート ベイブレード 激闘!最強ブレーダー」の開発に参加してた事に矛盾が生まれます。
    また、冬木氏は2011年時点でスクエニの第二オンライン企画運営部に所属しているようです。
    https://archive.vn/ZBocs

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    返信
    1. ベイブレードの件については、それで当時の所属について確認出来るということが理解出来たので、少し調べてみます。
      2011年時点での所属については自分の調べきれなかった部分でした。
      追記させていただきます。

      削除
    2. 参考になるかどうか分かりませんがGBAのベイブレードシリーズの主要開発メンバーに関して触れておくと、
      冬木氏以外の経歴や漢字表記の名前(ベイブレードのスタッフロールはひらがな表記)が判明してるのは、
      エグゼクティブプロデューサーに木谷高明(ブロッコリー、ブシロードの創業者)、
      アシスタントプロデューサーに前田和彦(風の伝説のザナドゥのシナリオ等を担当)、
      プロダクトマネージャーに門脇光弘(スーパースターソルジャーのプロデューサーを担当、ハドソン社員)
      の三名です。

      逆に主要スタッフで判明してないのはディレクターの「ほしやひでき」、プロデューサーの「おおたかひろゆき」の2名です
      この2名は経歴どころか漢字表記すら調べても判明しませんでした。

      削除
  4. 株式会社遊演体に全く言及がないので…

    遊演体は1980年~1990年代にTRPGやPBMで有名でPCゲームも制作していた会社であり、
    蓬莱学園シリーズなどを制作しておりフルメタの作者がメンバーだったことでも有名です。

    1998年に大半の社員が独立してエルスウェアを設立しましたが、2001年から2004年にかけて
    iモードアプリを展開しており、デバッガーぐらいはいても不思議ではありません。
    (エーアイは町田市、遊演体は相模原市で地理的にも近いですし)
    https://game.watch.impress.co.jp/docs/20010205/hudson.htm
    http://web.archive.org/web/20040417003350/http://www.you-en-tai.co.jp/

    遊演体は2004年のうちに活動停止、社長だった小泉雅也氏は現在北里大学に勤めているようです。
    https://twitter.com/koizmi_masaya
    https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000000406901/
    https://sfrangaku.okoshi-yasu.net/201110index.html
    https://jpbma.or.jp/business/

    住所は遊演体のウェブサイトでは「神奈川県相模原市上鶴間3498番地 第2足立ビル4階」とありますが、
    http://web.archive.org/web/20040209094613fw_/http://www.you-en-tai.co.jp/outline.html
    国税庁のデータベースでは「神奈川県相模原市南区相模大野3丁目14番10号」です。
    https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/henkorireki-johoto.html?selHouzinNo=3021001014273
    とはいうもののgoogle mapで「相模原市南区相模大野3-14-10」と入れると「第2足立ビル」と称したビルが出てくるので地名変更でしょう。
    2011年の時点で看板が外されているのがわかります。

    返信削除
    返信
    1. 情報ありがとうございます。
      2004年に活動停止しているから、2008年発売のAPのスタッフロールに表記がないんですね。
      追記させていただきます。

      削除
    2. ありがとうございます。

      クインテットについてですが、「入社しようとしたら倒産したという経験を持つ人物」(alweiとありますが​SCARLET NEXUSに関わったIndie-us Gamesの代表者の中村匡彦です)によると、2007年に倒産し、その後出たゲームではクレジットに名前が出なかったようです。
      https://twitter.com/aizen76/status/1203116812822441984
      https://twitter.com/aizen76/status/1203099563675906048
      https://w.atwiki.jp/quintet1989/pages/36.html
      よって、仮にAPに参加していたとしても、クレジットに名前が出ないはずです。…というかバンナムに絶縁されてもおかしくないこと書かれてますね(苦笑)

      なお代表者だった宮崎友好氏はその後もここでは言えない行為を繰り返した挙句現在は消息不明みたいです。SFCの頃には相当有名な開発者だったのですが…

      削除